取組事項
安全に作業を行うための服装や保護具の着用・管理の実施。
解説
作業に適した服装や保護具の適切な着用は、作業事故から従事者の身を守るために不可欠です。
農作業時に適切な保護具・服装を着用していないと、作業事故の原因となることや、怪我や障害の程度を悪化させることがあります。
また、適切な保護具・服装であっても、正しく装着しないと機能が発揮されません。
袖口をしっかり締める、ヘルメットのあごひもを締めるなど、適切に装着しましょう。
使用する機械の説明書には、必要な保護装備が記載されていますので、これらを確認し、事故の発生を防ぎ、事故が発生した場合でも被害を小さくできるようにします。
作業内容や作業環境に応じ、安全に配慮した服装や保護具等の着用をルール化し、全ての従事者が正しく着用又は装着する必要があります。
加えて、保護具は、その機能が維持されているか、使用前後の点検、日常の保守管理も実施する必要があります。
<具体的な取組事例>
・転倒、転落、落下物等の危険性のある場所での作業や、道路走行時におけるヘルメットの着用
・飛散物が当たる危険性のある場所における、フェイスガード、保護めがね等の着用
・飛散物、突起物の踏み抜き等のおそれがある作業時における、安全靴、すね当て等の着用
・機械の使用に際しては、回転部に頭髪や衣類等が巻き込まれないよう、髪の毛をまとめる、帽子をかぶる、袖口をしっかり締めるなど、髪型・服装にも十分注意する
・高所作業時における、ヘルメット、滑りにくい靴、命綱等の着用
・粉塵のある作業場所における、防塵めがねや防塵マスク等の着用
・大きな騒音が発生する場所での作業時のイヤーマフ等の着用
・長時間の振動にさらされる刈払機等による作業時の防振手袋等の着用
・重量物を扱う場所での安全靴、サポートスーツ等の補助装具の着用
・寒暖差が激しい場所での防寒着、耐熱装備の着用
・防除作業時における、作業衣、マスク等の着用と洗浄、保管
・刈払機を使用する際のフェイスガードやエプロン、安全靴、防振手袋などの着用
・自脱型コンバインで手こぎをする際、手袋を着用しないなど、適切な保護具の着脱の実施
「労働安全衛生法」では、作業者の安全、健康を守るため、事業者が遵守すべき事項を定めています。
これらも参考に、自らの農場の取組を整備します。
具体例と想定される対策
番号
23-1
【具体例】
フォークリフト操作時にヘルメットを着用せず頭部の怪我が発生。
【想定される対策】
機械の操作時に必要な服装・装備の一覧を作成し装着を徹底する。
定期的に装着方法を確認する。
装備の重要性について教育を実施する。
番号
23-2
【具体例】
機械の操作時に袖口が巻き込まれ怪我が発生。
【想定される対策】
機械の操作時に必要な服装・装備の一覧を作成し着装を徹底する。
定期的に装着方法を確認する。
作業前に適切な服装であることを指差し呼称により確認する。
装備の重要性について教育を実施する。
番号
23-3
【具体例】
傾斜地での刈払い作業時に、履物が不適切で転倒事故が発生。
【想定される対策】
作業時にスパイク付き安全靴を装備する。
作業前に適切な装備であることを指差し呼称により確認する。
装備の重要性について教育を実施する。
番号
23-4
【具体例】
粉塵が発生する清掃作業に長期間従事し、粉塵アレルギーを発症。
【想定される対策】
清掃作業も危険な作業であることを認識し、作業に相応しい装備を定める。
作業前に適切な装備であることを指差し呼称により確認する。
装備の重要性について教育を実施する。
区分
Ⅳ人的資源
農業生産工程段階
全般
品目
共通
分野
労働安全