区分
経営資源
農業生産工程段階
全般
品目
共通
分野
環境保全
労働安全
取組事項
農場内の整理・整頓・清潔・清掃の実施、農業生産活動に伴う廃棄物の不適切な処理・焼却の回避。
解説
農場内を整理、整頓し、常に衛生的にしておくと、汚れや汚染のリスクが明確になるため、農産物の安全性向上に効果があります。
また、作業がしやすくなるので、労働安全の向上、作業効率の向上にもつながります。
さらに、きれいな農場は、取引先のバイヤーや消費者、近隣住民に対する信頼性の向上につながります。
農業は、農産物を生産する事業活動であり、そこから排出される廃棄物は事業系一般廃棄物又は産業廃棄物に分類されます。
廃棄物の適正な処分は、法令上の義務であって、農業も例外ではありません。
廃プラスチック、農薬や肥料の空袋、残った農薬、農業機械の部品等の処理は、運搬や処分の資格を有する産業廃棄物運搬業者・処理業者に委託します。
作物残渣等についても、不適切な焼却は法令で禁止されていますので、処分方法(排出量や種類によって分類が産業廃棄物、事業系一般廃棄物、家庭系一般廃棄物となり、自治体により処分方法が異なります)を自治体に確認しましょう。
また、作物残渣と基材や資材等を適切に分別することも大切です。
作物残渣と、ウレタン基材やマルチ、ピンチなどの農業資材を分別しないままにしておいては、堆肥の原料等の有機物としても、廃プラスチックとしての処分もできないままになってしまいます。
具体例と想定される対策
番号
43-1
【具体例】
使用済み農業資材を野焼きしたことにより、環境汚染が発生。
【想定される対策】
資格を有する産業廃棄物処理業者に処理を依頼する。
農協や販売店等の回収サービスを利用する。
番号
43-2
【具体例】
作物残渣とウレタン基材を分離しないまま埋却し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反が発生。
【想定される対策】
作物残渣を腐らせて除去する。
事業系一般廃棄物(作物残渣)と産業廃棄物(ウレタン基材)の両方の処理ができる事業者に処分を委託する。
番号
43-3
【具体例】
区分が不十分で廃棄物を誤って出荷用の農産物に使用し、汚染が発生。
【想定される対策】
内容物により、容器を明確に識別する。
廃棄物専用保管場所を設け、廃棄物に明確な印を付ける。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)

3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)

12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)

経営資源
農産物の汚染や事故を防止するため、食品安全・衛生管理、労働安全、環境への配慮に関する入場時のルールを定めて、農場入場者(訪問者を含む)に対して遵守するよう周知。
農産物の安全を脅かす汚染、環境の破壊、労働災害が発生すると、農場自体の経営の存続が危ぶまれます。 汚染や事故は、農場内の作業者だけでなく、外部からの訪問者に起因することもあるので、許可の無い農場への立… 「続きを読む」
ほ場や施設から通える場所での清潔な手洗い設備やトイレ設備の確保等による衛生管理を実施
手洗いのルールを決めても、作業場所から離れたところにしか手洗い施設、設備がなければ、実行するのは困難です。 また、洗浄剤、消毒液などの適切な備品等を準備していなければ、衛生的な手洗いは行えません。 そ… 「続きを読む」
ほ場やその周辺環境(土壌や汚水等)、廃棄物、資材等からの危害要因による土壌の汚染及び土壌中の危害要因に由来する農産物の汚染の可能性に関する評価の実施、評価結果に基づく対策の実施。
土壌(培地含む)は水と並んで栽培工程における重要な資源です。一方で、土壌を通じた食品安全上の危害要因による農産物の汚染も考えられるため、土壌の汚染とそれに由来する農産物の汚染の可能性を評価して必要に応… 「続きを読む」
堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。
農地の土壌は農業生産の基礎であり、地力を増進していくことは農業の生産性を高め、農業経営の安定を図る上で極めて重要です。 また、地力の増進は、地球温暖化の進行等が顕在化する中、気候変動の影響を受けにくい… 「続きを読む」
土壌の侵食を軽減する対策の実施。
土壌は降雨や強風によって侵食を受けるため、放置すれば作物を健全に生育させるための作土層が失われます。 土壌の性質によって侵食を受けやすい場合があるので、必要に応じて、作物を栽培していない時期に被覆作物… 「続きを読む」
使用する水の水源を確認し、水に含まれる危害要因による農産物の安全性に関する評価と、評価結果に基づく対策を実施。
農産物にとって、水は生育に大きな影響を及ぼします。栽培中に使用する水の汚染は生育不良や農産物の汚染の原因にもなります。 また、収穫後に使用する水が汚染されていると、消費者の健康被害に直接つながる可能性… 「続きを読む」
養液栽培の場合、培養液の汚染の防止に必要な対策を実施。
養液栽培を行う場合、培養液自体の汚染は作物の生育不良や作物汚染に直結します。 そのため、培養液の汚染を防ぐ対策として下記のような管理を行います。 ・水供給設備の保守管理、定期的な清掃 ・培養液の頻繁な… 「続きを読む」
ほ場及び農産物取扱施設で発生した排水(排水中の栄養成分を含む)やそれに含まれる植物残渣、廃棄物等の適切な管理。
農場からは様々な排水が出ます。この排水は環境汚染の原因になるだけでなく、自らの生産工程で使用する水の汚染にもつながります。 まずは自らの農場からどのような排水が出ているかを把握します。 機械類の洗浄水… 「続きを読む」
農産物取扱施設・設備の保守管理、点検、整備、清掃等の適切な管理に加え、有害生物(昆虫、小動物、鳥類、かび等)の侵入・発生防止対策、異物、有毒植物等の混入防止対策を実施。
ほ場で農産物を収穫、梱包作業をし、直ちに出荷先に運搬、納品しない場合、ほとんどの農場には農産物取扱施設・設備があります。 農産物を一時的に保管する冷蔵庫、風乾やキュアリングを行う倉庫、トリミングや選別… 「続きを読む」
喫煙・飲食場所の指定、農場内の農産物に共通する工程の確認等により、異物混入やアレルゲンと農産物の交差汚染の防止対策を実施。
喫煙や飲食による農産物への異物混入や汚染を防ぐ必要があります。 喫煙場所の指定や分煙は、労働者の健康保護の観点からも重要です。 農産物取扱施設に食べかすが落ちていると虫や小動物、鳥類を誘引してしまい、… 「続きを読む」
農産物を適切に保管、貯蔵し、調製・出荷作業場、保管・貯蔵施設など全ての農産物取扱施設における衛生管理を実施。
農産物を衛生的に保つためには、作業員に由来する汚染だけでなく、農場内に存在する施設、設備、器具等に由来する汚染も防がなければなりません。 農産物の保管、貯蔵、出荷作業(待機)する場所は、人がいない状態… 「続きを読む」