国際水準GAP【青果物】

取組事項

農産物の汚染や事故を防止するため、食品安全・衛生管理、労働安全、環境への配慮に関する入場時のルールを定めて、農場入場者(訪問者を含む)に対して遵守するよう周知。

解説

農産物の安全を脅かす汚染、環境の破壊、労働災害が発生すると、農場自体の経営の存続が危ぶまれます。
汚染や事故は、農場内の作業者だけでなく、外部からの訪問者に起因することもあるので、許可の無い農場への立入を禁止し、許可の無い農場への立入を防止する対策を講じるとともに、すべての許可された入場者に対して農場内への入場時のルールを定めます。
農産物の汚染は、物品に由来(施設、機械、道具、資材等)するものと、人に由来するものが考えられます。ここでは、人に由来する汚染を防ぐために、農場内における人の行動についてルールを決め、入場者にそのルールを確実に実施させるための対策を講じます。
例えば、感染症に感染している、又は感染している疑いのある人が、収穫後の農産物に直接触れたり、収穫後の農産物を取り扱う作業員が触れる可能性がある農場内の施設や物品に触れたりすると、農産物が直接的又は間接的に病原性微生物に汚染される可能性があります。
農場では、作業者・入場者の健康状態(発熱、下痢などの感染症の症状の有無。必要があれば、同居の家族を含む。)については、自己申告だけでなく、必要に応じて責任者が確認する仕組みをつくります。
健康状態に応じて、農場への立入を禁止したり、作業員の作業内容を変更したりするなど、衛生管理上の対策を講じます。
また、作業者が農場のルールを守っていても、農場にやってきた納品業者、機械整備等の事業者、見学者などの訪問者が、ルールに従わずに農場に立ち入ると、汚染や事故が発生する可能性があります。
そこで、下記の取組について、農場内のルールを決め、作業者・入場者へ周知し、遵守させます。周知の方法としては入口への掲示や入場時の口頭注意などがあります。
① 作業着、帽子、マスク、靴、手袋等の装着品、身の回り品の取扱い
② 手洗いの手順(手洗いの訓練と頻度を含む)、消毒、爪の手入れ
③ 喫煙、飲食、痰や唾の処理及び咳やくしゃみ等の個人の行動
④ トイレの利用
⑤ 農産物や農産物が触れる器具、容器等への接触
また、訪問者自らの安全や、農場内の作業員の安全、農産物の安全のためにも、立入禁止箇所、機械・器具や資材に触れない、農場関係者の指示に従うこと等を明確にし、禁止行為を訪問者にも徹底します。
他にも、農場内やその周辺環境において、野生の動植物等を採らない、廃棄物を放置・埋設しないなど、農場の環境にも配慮するよう求めましょう。

具体例と想定される対策

番号

25-1

【具体例】

ノロウィルスに感染した作業者を介して農産物に汚染が生じ、食中毒が発生。

【想定される対策】

作業者の出勤時に責任者が体調確認を行う。
作業者の健康状態に応じて農産物に触れる作業から外す。

番号

25-2

【具体例】

手洗いが不十分な人が農産物に触れたため、病原性大腸菌汚染が発生。

【想定される対策】

手洗いの仕方を含む入場のルールを設定する。
入場のルールを掲示等により周知、徹底する。

番号

25-3

【具体例】

農産物へのアクセサリー、携帯電話部品の混入事故が発生。

【想定される対策】

アクセサリー等の持ち込み禁止をルールにする。
入場のルールを掲示等により周知、徹底する。

番号

25-4

【具体例】

訪問者が触ったことにより農産物への汚染が発生。

【想定される対策】

指定箇所以外への立入禁止や、農産物・機械類への接触禁止を農場のルールとして定める。
農場のルールを訪問者に周知する。

番号

25-5

【具体例】

訪問者が機械に触ったことにより怪我が発生。

【想定される対策】

指定箇所以外への立入禁止や、農産物・機械類への接触禁止を農場のルールとして定める。
農場のルールを訪問者に周知する。

番号

25-6

【具体例】

訪問者によるごみの投棄により、ほ場の汚染が発生。

【想定される対策】

ゴミを持ち帰るよう徹底する。
ゴミ箱の位置と破棄方法の掲示により周知する。

番号

25-7

【具体例】

農場周辺の希少植物の盗掘が発生。

【想定される対策】

希少植物の持出し禁止を掲示する。
自治体等が定める処罰を明示する。

区分

Ⅴ経営資源

農業生産工程段階

全般

品目

共通

分野

農場経営管理

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