区分
専用項目
農業生産工程段階
栽培
品目
きのこ
分野
食品安全
取組事項
きのこ類の培地調製、種菌接種の衛生的な実施。
解説
きのこ類の培地調製や種菌接種において、培地や容器類が目的の種菌以外の菌に汚染された場合、きのこの発生を阻害し、発生したきのこを汚染する可能性があります。
そのような汚染を防ぎ衛生を確保するために以下のような取組を行います。
・培地の基材、栄養材、添加物等の安全性を確認する。
・ミキサーで混合した培地は速やかに詰め込み(充塡)する。
・詰込み完了後の培地を速やかに滅菌・冷却する。
・滅菌完了後の培地は、無菌状態を維持して接種室に搬入し、種菌を無菌状態で接種・植菌する。
・接種完了後の菌床は、所定の環境条件で調節した培養室に搬入し、培養する。
以降は、番号 74 を参照しながら工程管理を行い、以下のような取組を行います。
・培養中の菌床の菌糸のまん延状態、有害菌等の有無を定期的に検査する。
・有害菌等に汚染されたものは直ちに撤去し、有害菌等が残存しないように滅菌後廃棄する。
これらの取組により、きのこが汚染されない、変異しないように管理し、安全性を確保します。
※番号74⇒「菌床資材及び工程別作業についての記録の作成・保存。」
具体例と想定される対策
番号
75-1
【具体例】
培地の汚染によりきのこの生育に異常が発生。
【想定される対策】
培地・容器の滅菌を徹底。
無菌環境で無菌状態のまま種菌を接種。
有害菌等に汚染されたものを選別、撤去、滅菌処理後に廃棄。
番号
75-2
【具体例】
雑菌との競合で栽培菌種に変異が生じ、毒性のあるきのこが発生。
【想定される対策】
培地・容器の滅菌を徹底。
無菌環境で無菌状態のまま種菌を接種。
有害菌等に汚染されたものを選別、撤去、滅菌処理後に廃棄。
滅菌処理及び冷却に関する記録の作成。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)

3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)

専用項目
スプラウト類の農産物取扱工程における衛生管理の実施(管理体制の整備、作業者の健康・衛生管理を含む)。
スプラウト類の栽培に適した温度・湿度は微生物の増殖にも適しているため、万一、栽培中のスプラウトに病原性微生物が付着すると、生産工程中で増えてしまう可能性があります。 したがって、スプラウト類については… 「続きを読む」
スプラウト類の培地、栽培容器の安全性の確認と適切な管理。
スプラウト類の汚染を防ぐためには、スプラウト類の原料種子の消毒だけでなく、栽培に使用する培地、栽培容器などの資材の衛生的な管理が必要です。 具体的な取組として、培地の原料の安全性(重金属、放射性物質、… 「続きを読む」
スプラウト類に使用する水について、水質検査、給水設備の保守管理、異物混入防止対策、微生物汚染防止対策を実施。
スプラウト類の栽培中には、大量の水を、様々な工程で使用します。 そのため、使用する水が病原性微生物等に汚染されていると栽培されたスプラウト類が汚染される可能性があります。 スプラウト類への病原性微生物… 「続きを読む」
スプラウト類(種子、作物を含む)を扱う場所は他の区域との境界を明確にし、衛生管理を実施。
スプラウト類は生育期間が短くすぐに出荷するため、一度汚染されると汚染物質が出荷後まで残存する可能性が高いため、生育の初期の工程(種子の状態)から汚染を防ぐ対策が必要です。 スプラウト類の取扱場所、つま… 「続きを読む」
スプラウト類の生産設備について工程ごとの専用化の実施。
浸種槽、播種機、洗浄機、加湿器、発芽室、緑化設備、冷蔵庫等の設備や機械類を様々な工程で兼用すると、付着した微生物が他の工程に広まってしまい、交差汚染が発生します。 そこで、工程ごとに設備や機械を専用化… 「続きを読む」
スプラウト類の種子の殺菌・衛生管理の実施。
スプラウト類の種子に病原性微生物が付着していると、生産工程で殺菌等を行うことが困難なため、消費者が食中毒になるリスクが高まります。 そのため、播種前に種子を殺菌する必要があります。 温湯や化学薬品処理… 「続きを読む」
きのこ類の原木、菌床資材等、種菌の安全性の確認と適切な管理。
きのこ栽培に使用する資材が重金属や病原性微生物、化学物質、放射性物質で汚染されていると、きのこの汚染、きのこの生育不良につながります。 そのため資材の購入、受入段階で安全性を確認することが重要です。 … 「続きを読む」