区分
経営資源
農業生産工程段階
調製
品目
共通
分野
食品安全
取組事項
農産物取扱施設・設備の保守管理、点検、整備、清掃等の適切な管理に加え、有害生物(昆虫、小動物、鳥類、かび等)の侵入・発生防止対策、異物、有毒植物等の混入防止対策を実施。
解説
ほ場で農産物を収穫、梱包作業をし、直ちに出荷先に運搬、納品しない場合、ほとんどの農場には農産物取扱施設・設備があります。
農産物を一時的に保管する冷蔵庫、風乾やキュアリングを行う倉庫、トリミングや選別、包装、梱包作業を行う調製場など、出荷までの予冷や出荷待機場所となります。
農産物取扱施設・設備では、農産物そのものや残渣が虫や動物の餌、かびの栄養源となり得るため、施設内の清掃を徹底するほかに有害生物の侵入・発生を防ぐ必要があります。
農産物取扱施設・設備に侵入、発生する有害生物には、昆虫やクモ等の節足動物などの虫類、そ族やハクビシン、アライグマなどの小動物、ハトやカラスなどの鳥類、かびが挙げられます。
これらの有害生物による食害、糞便等による病原性微生物の汚染、かびの発生によるかび毒汚染等が生じれば、消費者に健康被害を起こす可能性があります。
これらの防止のため、どのような有害生物が侵入、発生しているか、発生源や侵入経路を調査し、発生源の除去、進入路の閉鎖などの対策を講じます。
また、有害生物の侵入や発生が確認された場合には、農産物の汚染を防止する方法で駆除する他、農産物に汚染が生じていないかどうか、必要に応じて検査します。
有害生物の他に、農産物取扱施設・設備内において、小石、ガラス片、金属屑のような異物や、有毒な雑草などの混入の可能性についても検討し、異物や雑草等の混入を防止する対策をとります。
具体例と想定される対策
番号
33-1
【具体例】
ねずみや鳥の施設への侵入と糞による農産物の汚染。
【想定される対策】
発生しやすい有害生物を把握する。
有害生物の進入路を塞ぎ、物理的に駆除する。
薬剤での駆除は、農産物等に薬剤の影響がないよう保健所又は専門事業者に相談した上で、実施する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)
経営資源
器具、容器、設備、機械・装置及び運搬車両を把握し、安全装備等の確認、衛生管理、使用前点検、使用後の整備及び適切な管理を実施。
1.農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:農業)の活用農業現場は、他産業と比べて作業事故の発生率が高い傾向にあります。 農業が継続して発展するためには、若者が未来を託せる安全な職場にし… 「続きを読む」
計量機器の点検・校正。
計量機器や水分計、温度計、金属探知機などは正確に計量・測定できなければなりません。 量目不足は商取引上のトラブル、クレームになります。 これを防ぐためには定期的な校正を行い、計量機器を適切に設置・保管… 「続きを読む」
栽培・収穫・調製・運搬に使用する器具・包装容器等や掃除道具及び洗浄剤・消毒剤・機械油等の安全性を確認するとともに、適切な保管、取扱い、洗浄等を実施。
農産物に使用する農薬や肥料、基礎となる土や水の安全性を確保し、携わる作業者の衛生を徹底しても、農産物が接触する可能性のある資材が、食品に適さないものであった場合や衛生管理に問題があった場合には、農産物… 「続きを読む」
機械、装置、器具等の適正な使用。
農業機械や器具等を誤った方法で使用すると作業事故を引き起こしかねません。機械等の操作に従事する際には、取扱説明書の確認等を通じて、当該機械等の危険性や適正な使用方法を理解することが重要です。 取扱説明… 「続きを読む」
食品安全(農産物への接触防止等)、環境保全(環境への流出防止等)、労働安全(火災防止等)に配慮した燃料類の保管の実施。
燃料を不適切に保管、管理すると、燃料が漏出することで、農産物の汚染による食品安全上の事故、火災による労働災害、土壌や水質汚染による環境破壊を引き起こす原因となる可能性があります。 つまり、農場の燃料は… 「続きを読む」
温室効果ガスの削減に資する取組等の対策の実施。
1.現状把握 農業生産活動といえども、化石燃料や電力を消費すれば温室効果ガスである二酸化炭素が発生します。 農場でのエネルギーの使用量を把握し、常に節減を心がけることが重要です。 以下の手順に従って、… 「続きを読む」
農場から出る廃棄物を把握し、適切に分別・管理して処分するとともに、作物残渣等の有機物のリサイクルに取り組むなど廃棄物の削減を実施。
農業生産活動に伴い発生する廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和 45 年法律第 137 号)に基づき、産業廃棄物や事業系一般廃棄物として、法に従い適正な処理を行うことが農業者に… 「続きを読む」
農場内の整理・整頓・清潔・清掃の実施、農業生産活動に伴う廃棄物の不適切な処理・焼却の回避。
農場内を整理、整頓し、常に衛生的にしておくと、汚れや汚染のリスクが明確になるため、農産物の安全性向上に効果があります。 また、作業がしやすくなるので、労働安全の向上、作業効率の向上にもつながります。 … 「続きを読む」
周辺住民等に対する騒音、振動、悪臭、煙・埃・有害物質の飛散・流出等の配慮と対策の実施。
農場を継続的に運営していくためには、周辺の方々の理解が必要です。 まずは自らの農場の周辺環境、住民の方々を把握し、周りの人や施設に迷惑をかけていないか、過去にトラブルとなったことがないか、自治体や自治… 「続きを読む」
ほ場等への鳥獣の接近を制限する取組等による生物多様性に配慮した鳥獣被害防止対策の実施。
生物多様性とは、生物多様性基本法において「様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在すること」を意味し、人類もその恩恵を享受しています。 近年の農業の生産効率は化学的な資材や… 「続きを読む」
セイヨウオオマルハナバチの飼養に関する環境省の許可取得及び適切な飼養管理の実施、その他外来生物を利用する場合の適切な飼養管理の実施。
特定外来生物は、海外起源の外来種であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼす恐れがあるものが指定されます。 農業分野では、特定外来生物であるセイヨウオオマルハナバチを使用… 「続きを読む」