区分
経営資源
農業生産工程段階
全般
品目
共通
分野
環境保全
番号
32
取組事項
ほ場及び農産物取扱施設で発生した排水(排水中の栄養成分を含む)やそれに含まれる植物残渣、廃棄物等の適切な管理。
解説
農場からは様々な排水が出ます。この排水は環境汚染の原因になるだけでなく、自らの生産工程で使用する水の汚染にもつながります。
まずは自らの農場からどのような排水が出ているかを把握します。
機械類の洗浄水、農薬散布機器の洗浄水、農薬の残液、農産物の洗浄水、培養液の排液などが考えられます。
排水を直接、河川などに流し込むと水源を汚染してしまいます。排水桝や沈殿槽を設け、泥、残渣等を取り除く、機械類の洗浄場所を水源に影響がない場所に確保するなどのやり方が考えられます。
泥や農産物の残渣は、定期的に除去し、排水路が詰まったり、排水が溢れ出したりしないように管理します。
培養液の排液が多かったり、排液中に栄養成分が残ったりしていると、水源の富栄養化の原因となり環境を汚染します。
排液中の栄養分を極力少なくしてから排出しましょう。
具体例と想定される対策
番号
32-1
【具体例】
トラクターの洗浄水により河川を濁水で汚染する事故が発生。
【想定される対策】
洗浄水の排水経路を確認し、水源に流れ込まないよう排水桝、沈殿槽を設置する。
洗浄水が河川に流れ込まない場所に洗浄場所を変更する。
番号
32-2
【具体例】
培養液の排液により水質汚染が発生。
【想定される対策】
養分を極力植物に吸わせてから排水する。
排液の pH、EC 等を測定し、肥料成分が残っていないことを確認して排水する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
6.3 汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の廃水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。)
6.6 山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。)
12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)
14.1 海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。(即ち持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全する。)
国際水準GAP
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現
このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
下記URLに掲載されています。
国際水準GAPガイドライン:農林水産省⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html
コメントを残す