区分
経営資源
農業生産工程段階
土づくり
品目
共通
分野
環境保全
番号
28
取組事項
堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。
解説
農地の土壌は農業生産の基礎であり、地力を増進していくことは農業の生産性を高め、農業経営の安定を図る上で極めて重要です。
また、地力の増進は、地球温暖化の進行等が顕在化する中、気候変動の影響を受けにくい安定的な農業生産基盤の確保といった観点からも重要です。
特に、土壌中の有機物は、土壌の物理的、化学的及び生物的性質を良好に保ち、可給態窒素等の養分を作物等に持続的に供給するために重要な役割を果たしています。
一方で、土壌中の有機物は徐々に減少していくものであるため、営農の中において土づくりが重要となります。
しかしながら、近年、農地土壌への堆肥等の有機物の施用量の減少等により、農地土壌が有する作物生産機能のみならず、炭素貯留機能、物質循環機能、水・大気の浄化機能及び生物多様性の保全機能の低下が懸念されています。
こうした中、土づくり等を通じた化学肥料、化学農薬の使用量低減や、農業が有する環境保全機能の向上に配慮した持続的な農業を推進することが重要になっています。
このため、農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和等に留意しつつ、以下のような土壌管理を適切に行うよう心掛けてください。
・堆肥や有機質肥料、緑肥等の有機物やバイオ炭を土づくりに有効活用するように努める。
・ほ場に残すと病害虫がまん延する場合などを除き作物残さ等のすき込みによる土づくりに努める。
・樹園地については、堆肥の施用が困難な場合、草生栽培や敷きわらによる有機物の供給に努める。
・適地においては不耕起栽培や省耕起栽培の実施により、土壌への炭素貯留や生物多様性保全に努める。 等
また、適切な土壌管理には、現状を把握することが欠かせません。土壌診断や作
物診断等を実施し、作物特性やデータに基づいた適正な施肥に努めましょう。
具体例と想定される対策
番号
28-1
【具体例】
土壌有機物の消耗により地力が低下し、作柄が悪化。
【想定される対策】
堆肥等の有機物の施用により、土壌の物理性、化学性及び生物性の改善を図る。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
12.2 天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。(即ち持続可能な生産形態を確保する。)
12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)
12.5 廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)
15.3 砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土壌劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。(即ち土壌劣化を阻止する。)
国際水準GAP
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現
このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
下記URLに掲載されています。
国際水準GAPガイドライン:農林水産省⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html
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