区分
専用項目
農業生産工程段階
全般
品目
きのこ
分野
食品安全
取組事項
菌床資材及び工程別作業についての記録の作成・保存。
解説
出荷するまでの品質検査できのこに異常を発見した場合や、出荷したきのこについて顧客からのクレームが発生した場合、使用した資材や作業の内容、栽培環境や条件を確認することにより、問題の発生原因を特定し、再発防止策を検討することができます。
こうした原因の特定を可能にするために、各工程において、以下のような作業を記録し、後から確認、検証できるように保存しておきます。
・使用した資材、培地の配合
・殺菌方法、殺菌温度、時間等の条件
・冷却時間
・植菌作業(作業者名、種菌のロット番号等)
・培養室、培養温度、湿度等の条件
・発生室、発生温度、湿度等の条件
・収穫作業(作業者名、収穫場所、収穫量等)
・廃棄処分作業(発生場所、廃棄量、処分方法等)
・包装作業(作業者名、包装時間、包装ロット等)
・一時保管(入庫日、保管場所、保管条件、出庫日等)
・出荷作業(出荷先、出荷日、出荷数量、出荷ロット等)
記録を作成、保存し、それらの記録が出荷先から原料へ、また、原料から出荷先へ辿れるか、記録の繋がりを確認します。
付帯する衛生管理(例えば、作業を行った者の体調の申告記録等)や点検(例えば、金属検出機のテスト結果等)の記録も関連付け、どのような条件下で生産、出荷されたきのこなのか、後から確認できる事項を把握、整理しておきます。
具体例と想定される対策
番号
74-1
【具体例】
出荷したきのこに対するクレームが発生したが、原因が特定できず同種の事故が再発。
【想定される対策】
工程間の記録の関連付けを行い、トレースが可能か確認する。
トレース作業を実施し、原因を特定できるか確認する。
番号
74-2
【具体例】
出荷後に異常な環境下で培養したことに気付いたが、出荷先を特定することができず、回収不能。
【想定される対策】
工程間の記録の関連付けを行い、トレースが可能か確認する。
トレース作業を実施し、出荷先を特定、限定できるか確認する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)
専用項目
きのこ類の培養施設の温度・湿度等の適切な環境条件の維持及び衛生管理の実施。
目的とするきのこの生育に適した温度・湿度を保たないと発生・成長が阻害されてしまいます。 また、施設内に目的とするきのこの菌以外の害菌、雑菌が侵入、繁殖、蔓延すると、きのこの生育阻害、品質低下を招く恐れ… 「続きを読む」
菌床資材及び工程別作業についての記録の作成・保存。
出荷するまでの品質検査できのこに異常を発見した場合や、出荷したきのこについて顧客からのクレームが発生した場合、使用した資材や作業の内容、栽培環境や条件を確認することにより、問題の発生原因を特定し、再発… 「続きを読む」
きのこ類の培地調製、種菌接種の衛生的な実施。
きのこ類の培地調製や種菌接種において、培地や容器類が目的の種菌以外の菌に汚染された場合、きのこの発生を阻害し、発生したきのこを汚染する可能性があります。 「続きを読む」
ボイラー及び圧力容器の設置・使用に必要な届出、取扱作業主任者の設置。
ボイラー及び圧力容器の設置・使用に必要な届出、取扱作業主任者の設置に関しては、法令に義務付けられており、以下の対応をする必要があります。 ① 設置時の届出、落成検査等の実施 小型ボイラーの設置の際、設… 「続きを読む」
ボイラー及び圧力容器の定期自主点検の記録の作成・保存。
「ボイラー及び圧力容器安全規則」では、ボイラー及び圧力容器の定期自主検査を行い、記録を 3 年間、保存することが義務付けられています。 農場で使用する予定のボイラーが、当該規則及び関係する法令等により… 「続きを読む」
りんごにおけるかび毒(パツリン)汚染の防止・低減対策の実施。
りんご果汁は、かび毒の一種であるパツリンによって汚染される可能性の高い食品として知られています。 原因はりんごを長期保存している際に、パツリンを生成する土壌菌(ペニシリウム属及びアスペルギルス属の一部… 「続きを読む」