栽培管理【10】(58)

取組事項

農薬の使用記録の作成・保存。

解説

農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成 15 年農林水産省・環境省
令第 5 号)では、農薬使用者は、農薬を使用した時は、次に掲げる事項を帳簿に記載するように努めなければならないと定めています。
① 使用日
② 使用場所
③ 使用した農産物
④ 使用した農薬の種類又は名称
⑤ 単位面積当たりの使用量又は希釈倍数
万が一、残留農薬基準の超過が発生した場合、あるいは取引先から農薬使用状況について問い合わせがあった場合、農薬使用記録が必要です。
散布の状況を確認するためにも上記の事項に加え、散布機等の防除機械・器具の特定を含む使用方法、作業者名についても記録を残しておきます。
農薬使用記録は、事故が発生した際の原因調査や、取引先からの求めに応じて証拠を提示するなど、事故や要請に対応するために必要です。
さらに、栽培工程の見直し、防除方法の効率や効果の検証などにも活用でき、農場の経営上、とても重要な記録です。
保存性の高い媒体で適切な期間保存し、農場経営の見直しに活用しましょう。

具体例と想定される対策

番号

58-1

【具体例】

記録を作成していなかったため、残留農薬基準値の超過発生時の原因の特定が不可能な事案が発生。

【想定される対策】

農薬の使用状況を継続的に記録する。
農薬の使用記録を適切に保管する。

番号

58-2

【具体例】

農薬散布記録を紛失し、取引先の要望に応じられない事態が発生。

【想定される対策】

農薬の使用記録を適切に保管する。
記録を複数の媒体で保管し、紛失、消去のリスクを回避する。
記録の保管の責任者、担当者を決める。

番号

58-3

【具体例】

農薬散布記録に漏れがあり、使用基準を守っていることが証明できず、共同出荷組合全体で責任を取らされる事態が発生。

【想定される対策】

農薬を使用した記録をつけることを習慣化する。
複数人での記録のチェック体制を整備する。
出荷前に農薬使用記録を確認する。
記録の保管の責任者、担当者を決める。

区分

Ⅵ栽培管理

農業生産工程段階

栽培

品目

共通

分野

食品安全

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