区分
経営資源
農業生産工程段階
調製
品目
共通
分野
食品安全
環境保全
労働安全
番号
40
取組事項
食品安全(農産物への接触防止等)、環境保全(環境への流出防止等)、労働安全(火災防止等)に配慮した燃料類の保管の実施。
解説
燃料を不適切に保管、管理すると、燃料が漏出することで、農産物の汚染による食品安全上の事故、火災による労働災害、土壌や水質汚染による環境破壊を引き起こす原因となる可能性があります。
つまり、農場の燃料は食品安全、労働安全、環境保全のいずれの観点からも、大きな危害要因です。
引火、発火、爆発等を起こさないように、適切な容器を使用し、保管庫等の条件を整え、注意喚起表示や消防設備等を準備します。
所轄の消防署にも、適切な保管数量か、保管方法に問題がないか、指導を受けましょう(保管量によって自治体、消防署に届出が必要な場合があります。
所轄の消防署に適切な保管方法、有資格者の配置等について相談します)。
また、農産物に燃料が付着しないよう、流出した燃料が水源や土壌を汚染しないよう、燃料漏れ防止対策も講じます。
漏れた場合の備えとして、防油堤を設置する、吸着シートや十分な量の砂を用意するなどが必要です。
保管や使用する場所での火気厳禁、内容物にあった保管容器の使用(例えば、ガソリンは金属容器に入れ、ポリタンクは厳禁)も徹底し、消防法や自治体の条例による規制を遵守して管理しましょう。
同様に、石油類に該当する危険物(剥離剤、インク、洗浄剤、有機溶剤等)も、定められた保管方法を遵守し、消防設備の準備、漏れ防止対策を講じ、漏れた時の処理装備を準備して適切に管理します。
さらに、燃料や危険物について数量も管理することで、食品安全、労働安全、環境保全に加え、農場の経営の見直しにも活用できますので、番号 41 を参考に取り組みましょう。
具体例と想定される対策
番号
40-1
【具体例】
燃料タンクからの燃料漏れによる火災が発生。
【想定される対策】
燃料保管施設の点検により、燃料漏れがないかどうかを確認し、不具合を修理する。
防油堤、吸着シートなど、燃料が流出した場合の対策を準備する。
消火器など適切な消防設備を用意する。
番号
40-2
【具体例】
燃料パイプの劣化による燃料漏れにより土壌汚染・水源汚染が発生。
【想定される対策】
燃料タンク、配管等を確認し、メンテナンスを行う。
防油堤、オイルフェンス、吸着シートなど、燃料が流出した場合の対策を準備する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
6.3 汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の廃水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。)
6.6 山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。)
9.4 資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。(即ち強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る。)
国際水準GAP
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現
このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
下記URLに掲載されています。
国際水準GAPガイドライン:農林水産省⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html
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