区分
栽培管理
農業生産工程段階
栽培
品目
共通
分野
環境保全
番号
55
取組事項
農薬散布時における周辺作物・周辺住民等への影響の回避。
解説
農薬散布時に、隣接するほ場等の作物に農薬がかかると、作物の生長に悪影響が出たり、残留農薬基準値の超過の原因になったりする可能性があります。
また、周辺の民家等へ農薬が飛散してしまうと周辺住民に健康被害を及ぼしたり、建物や車等に被害を及ぼしたりします。
こうした被害等を防ぐため、飛散の少ない剤型・飛散低減ノズルの使用に努めるとともに、風のない又は風が弱い日、時間に農薬を散布して自農場の農薬散布によるドリフトを防いだり、周辺の農家に連絡をし、収穫時期を教えてもらう等、ドリフトの影響を少なくするよう努めます。
また、くん蒸剤を使用する場合、揮散した農薬成分が周辺住民に健康被害を及ぼす可能性があります。
被覆することが農薬のラベルに指示されている場合には、必ず被覆等を行います。
住宅地に近接する農地の場合は、周辺住民に対して、農薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類及び農薬使用者等の連絡先を十分な時間的余裕をもって幅広く周知するようにしましょう。
過去の相談等により、近辺に化学物質に敏感な人が居住していることを把握している場合には、丁寧な説明を心掛けるなど、十分配慮するようにしましょう。
また、散布区域の近隣に学校、通学路等がある場合には、万が一にも子どもが農薬を浴びることのないよう散布の時間帯に最大限配慮するとともに、当該学校や子どもの保護者等への周知を図りましょう。
具体例と想定される対策
番号
55-1
【具体例】
周辺の民家へ農薬が飛散して、周辺住民に健康等への被害が発生。
【想定される対策】
ドリフト低減ノズルを利用する。
風向き、風の強さに気を付けて散布する。
飛散しにくい剤型を選択する。
背の高い緑肥を畦畔に栽培する。
防風ネットを設置する。
くん蒸剤使用時はラベルの指示に従い被覆を実施する。
周辺住民に事前周知する。
番号
55-2
【具体例】
周辺作物にドリフトし、残留農薬基準違反が発生。
【想定される対策】
ドリフト低減ノズルを利用する。
風向き、風の強さに気を付けて散布する。
飛散しにくい剤型を選択する。
背の高い緑肥を畦畔で栽培する。
防風ネットを設置する。
収穫時期を把握し直前の散布を避ける。
周辺の農家に事前周知する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)

3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)

12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)

国際水準GAP
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現
このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
下記URLに掲載されています。
国際水準GAPガイドライン:農林水産省⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html