区分
経営資源
農業生産工程段階
調製
品目
共通
分野
環境保全
番号
41
取組事項
温室効果ガスの削減に資する取組等の対策の実施。
解説
1.現状把握
農業生産活動といえども、化石燃料や電力を消費すれば温室効果ガスである二酸化炭素が発生します。
農場でのエネルギーの使用量を把握し、常に節減を心がけることが重要です。
以下の手順に従って、自らの農場で可能な省エネルギーの取組を検討しましょう。
また、把握・検討した内容は従業員への教育などにより農場内に周知し、節減の必要性の理解に努めましょう。
① 農場内で使用しているエネルギーの種類(電気、燃料等)を把握します。
② 把握したエネルギーの使用量を伝票やメーターから把握し、記録します。
③ 把握したエネルギーの使用量を前年や前月と比較し、想定より使用量が多かったものについては、使用量の削減方法を検討しましょう。
2.温室効果ガスの排出削減に資する取組
農作業を行う中で、省エネルギー化が可能な部分はないか調べ、二酸化炭素の発生を抑制する取組を実施します。
省エネルギーに留意した農業機械・装置、車両、施設の適切な使用には、以下のような取組があります。
これらに取り組み、農場が二酸化炭素の排出量削減に貢献していることを客観的に説明できるようにしましょう。
・ 燃料消費量の節減に資する農業機械・車両の適切な使用(アイドリングストップ、適切な走行速度やエンジン回転数での作業実施、適切な土壌水分時の作業実施等)
・ 作業工程の見直しによる作業効率の改善(運搬ルート見直し等)
・ 機械・器具の適切な点検整備による燃費向上
・ 不要な照明のこまめな消灯
・ 冷蔵庫や暖房の温度設定の最適化、ハウスの被覆の修繕
・ 農業機械、車両、施設・設備を更新する際は、省エネルギー性能の高いものを選択(照明器具の LED 電灯への変更、ハイブリッド車両の導入等)
・ 再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電等)への切替え
3.農場由来の温室効果ガスの削減
ほ場そのものからも温室効果ガスが排出されます。例えば、畑等からは温室効果ガスの1つである一酸化二窒素が、水田からはメタンが排出されます。
以下の取組により温室効果ガスの排出削減を検討しましょう。
<畑等>
根圏部分に施肥する局所施肥や肥料成分の利用効率の高い分施、肥料成分の利用効率の高い緩効性性肥料の施用といった手法で一酸化二窒素の排出を削減することができます。
4.ほ場への炭素貯留
土壌管理の方法によっては、ほ場へ炭素を貯留することで温暖化対策につなげることができます。
例えば、以下のような取組があります。
・ 土壌への堆肥や緑肥等の有機物の継続的な施用
・ 難分解性であるバイオ炭の施用
・ ほ場に残すと病害虫がまん延する可能性のある場合を除く作物残さのすき込み
・ 不耕起又は省耕起栽培の実施
具体例と想定される対策
番号
41-1
【具体例】
ビニールハウスの被覆の破れによる暖房効果の低下が発生。
【想定される対策】
ビニールハウスを巡回し、こまめに破損箇所を補修する。
番号
41-2
【具体例】
トラクターでの公道走行により、燃料使用量が増大。
【想定される対策】
トラクターの停止中はエンジンを切る(アイドリングストップ)。
小型トラクターはキャリアカー等を活用してほ場まで運搬する。
定期的にメンテナンスし、燃費効率を維持する。
番号
41-3
【具体例】
トラックの不適切な積載により、燃料使用量が増大。
【想定される対策】
過積載をしない。
エンジンをかけたまま積込み作業をしない。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
7.2 世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。(即ち持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する。)
7.3 世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。(即ち持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する。)
9.4 資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。(即ち強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る。)
12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期計画に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。(即ち気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。)
国際水準GAP
食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現
このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
下記URLに掲載されています。
国際水準GAPガイドライン:農林水産省⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html
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