区分
経営資源
農業生産工程段階
調製
品目
共通
分野
食品安全
農場経営管理
取組事項
喫煙・飲食場所の指定、農場内の農産物に共通する工程の確認等により、異物混入やアレルゲンと農産物の交差汚染の防止対策を実施。
解説
喫煙や飲食による農産物への異物混入や汚染を防ぐ必要があります。
喫煙場所の指定や分煙は、労働者の健康保護の観点からも重要です。
農産物取扱施設に食べかすが落ちていると虫や小動物、鳥類を誘引してしまい、糞便等による汚染やカビが発生する原因ともなります。
さらに、アレルゲンを含む食べかす等(小麦粉、きな粉等)が、洗わずに食べることもある農産物に混入すると、思わぬ形で消費者にアレルギー症状を引き起こす原因ともなりかねません。
そこで、異物混入や食品安全上の事故を防ぐとともに労働者の健康確保のため、喫煙や飲食する場所を限定し、責任者を決めて場所を管理します。
また、喫煙や飲食後に作業場に再入場する際の手順として、手洗い、衣服のローラーがけ、よく叩いて汚れを落とすなどの処置をして、作業に復帰するなどの対策を農場のルールとして定め、リスクを低減するよう徹底します。
また、健康増進法により事務所や工場等の健康増進法上の第二種施設は原則屋内禁煙となっており、屋内で喫煙を認める場合は一定の基準を満たす喫煙専用室の設置が必要となります。
更に、自らの農場でアレルギー物質を含む特定原材料として指定されているような農産物(そば、落花生、ももなど、現在 28 品目)を取り扱っている場合、他の農産物と接触したり、その粉末や小片が誤って他の農産物に混入したりすると、重大な健康被害を引き起こす事故の原因となりかねません。
アレルギー物質を含む農産物と他の農産物に共通する工程(同一機械・器具の使用、交差する、接触する可能性がある移動経路、同一の作業者等)を確認し、アレルギー物質を含む農産物とその他の農産物が接触(二次接触も含む)する可能性があるか、把握します。
可能性があるならば、アレルギー物質を含む農産物との接触をなくす、あるいは、減らす対策を検討します。
例えば、アレルギー物質を含む農産物に使用した機械・器具は、清掃、洗浄した上で、次の農産物の取扱いに際して、はじめのうちは押し出し洗浄用として出荷対象としない、などの取組も実施します。
具体例と想定される対策
番号
34-1
【具体例】
吸い殻や食べかすの農産物への混入。
【想定される対策】
作業場所から隔離された場所で喫煙や飲食をする。
飲食した後は手洗いし、衣服を着替える、ローラーがけをする、よく叩くなどして、作業場に持ち込まない措置を講じる。
番号
34-2
【具体例】
アレルギー物質を含む食べかすが農産物に混入し、消費者にアレルギー症状が発生。
【想定される対策】
飲食した後は手洗いし、衣服を着替える、ローラーがけをする、よく叩くなどして、喫食したアレルギー物質を作業場に持ち込まない措置を講じる。
作業者に、アレルギー物質を周知する。
番号
34-3
【具体例】
アレルギー物質となる農産物が他の農産物に接触又は混入し、消費者にアレルギー症状が発生。
【想定される対策】
作業者に、アレルギー物質を周知する。
アレルギー物質となる農産物とそうでない農産物の分離・識別管理を徹底する。
アレルギー物質に使った後の機器類を徹底して清掃、洗浄する。
SDGsへの貢献
(17の目標、169のターゲット)
2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。)
3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。)
12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。)
経営資源
農産物の汚染や事故を防止するため、食品安全・衛生管理、労働安全、環境への配慮に関する入場時のルールを定めて、農場入場者(訪問者を含む)に対して遵守するよう周知。
農産物の安全を脅かす汚染、環境の破壊、労働災害が発生すると、農場自体の経営の存続が危ぶまれます。 汚染や事故は、農場内の作業者だけでなく、外部からの訪問者に起因することもあるので、許可の無い農場への立… 「続きを読む」
ほ場や施設から通える場所での清潔な手洗い設備やトイレ設備の確保等による衛生管理を実施
手洗いのルールを決めても、作業場所から離れたところにしか手洗い施設、設備がなければ、実行するのは困難です。 また、洗浄剤、消毒液などの適切な備品等を準備していなければ、衛生的な手洗いは行えません。 そ… 「続きを読む」
ほ場やその周辺環境(土壌や汚水等)、廃棄物、資材等からの危害要因による土壌の汚染及び土壌中の危害要因に由来する農産物の汚染の可能性に関する評価の実施、評価結果に基づく対策の実施。
土壌(培地含む)は水と並んで栽培工程における重要な資源です。一方で、土壌を通じた食品安全上の危害要因による農産物の汚染も考えられるため、土壌の汚染とそれに由来する農産物の汚染の可能性を評価して必要に応… 「続きを読む」
堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。
農地の土壌は農業生産の基礎であり、地力を増進していくことは農業の生産性を高め、農業経営の安定を図る上で極めて重要です。 また、地力の増進は、地球温暖化の進行等が顕在化する中、気候変動の影響を受けにくい… 「続きを読む」
土壌の侵食を軽減する対策の実施。
土壌は降雨や強風によって侵食を受けるため、放置すれば作物を健全に生育させるための作土層が失われます。 土壌の性質によって侵食を受けやすい場合があるので、必要に応じて、作物を栽培していない時期に被覆作物… 「続きを読む」
使用する水の水源を確認し、水に含まれる危害要因による農産物の安全性に関する評価と、評価結果に基づく対策を実施。
農産物にとって、水は生育に大きな影響を及ぼします。栽培中に使用する水の汚染は生育不良や農産物の汚染の原因にもなります。 また、収穫後に使用する水が汚染されていると、消費者の健康被害に直接つながる可能性… 「続きを読む」
養液栽培の場合、培養液の汚染の防止に必要な対策を実施。
養液栽培を行う場合、培養液自体の汚染は作物の生育不良や作物汚染に直結します。 そのため、培養液の汚染を防ぐ対策として下記のような管理を行います。 ・水供給設備の保守管理、定期的な清掃 ・培養液の頻繁な… 「続きを読む」
ほ場及び農産物取扱施設で発生した排水(排水中の栄養成分を含む)やそれに含まれる植物残渣、廃棄物等の適切な管理。
農場からは様々な排水が出ます。この排水は環境汚染の原因になるだけでなく、自らの生産工程で使用する水の汚染にもつながります。 まずは自らの農場からどのような排水が出ているかを把握します。 機械類の洗浄水… 「続きを読む」
農産物取扱施設・設備の保守管理、点検、整備、清掃等の適切な管理に加え、有害生物(昆虫、小動物、鳥類、かび等)の侵入・発生防止対策、異物、有毒植物等の混入防止対策を実施。
ほ場で農産物を収穫、梱包作業をし、直ちに出荷先に運搬、納品しない場合、ほとんどの農場には農産物取扱施設・設備があります。 農産物を一時的に保管する冷蔵庫、風乾やキュアリングを行う倉庫、トリミングや選別… 「続きを読む」
喫煙・飲食場所の指定、農場内の農産物に共通する工程の確認等により、異物混入やアレルゲンと農産物の交差汚染の防止対策を実施。
喫煙や飲食による農産物への異物混入や汚染を防ぐ必要があります。 喫煙場所の指定や分煙は、労働者の健康保護の観点からも重要です。 農産物取扱施設に食べかすが落ちていると虫や小動物、鳥類を誘引してしまい、… 「続きを読む」
農産物を適切に保管、貯蔵し、調製・出荷作業場、保管・貯蔵施設など全ての農産物取扱施設における衛生管理を実施。
農産物を衛生的に保つためには、作業員に由来する汚染だけでなく、農場内に存在する施設、設備、器具等に由来する汚染も防がなければなりません。 農産物の保管、貯蔵、出荷作業(待機)する場所は、人がいない状態… 「続きを読む」