農業のGAPとは、
消費者、生産者、環境にとって、「Good」な農業の取組のことをGAP(ギャップ)といいます。
出典:農業生産工程管理(GAP)に関する情報:農林水産省
GAPは、Good Agricultural Practicesの頭文字をとった言葉で、直訳すると「よい農業の取組」という意味ですが、一般的には「農業生産工程管理」と呼ばれています。
GAP は、農業生産の各工程の実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動であり、食品の安全性向上、環境の保全、労働安全の確保等に資するとともに、農業経営の改善や効率化につながる取組です。
GAPに取り組むことは、
「販売先の信頼確保」、「資材の在庫削減」、「従業員の意識改革」等のメリットがあります。
出典:農業生産工程管理(GAP)に関する情報:農林水産省
GAPに取り組むことがSDGsへの貢献につながります
SDGs の「S」持続可能性(サステナビリティ)とは、「これからも将来にわたって変わらずに続けていくことができる」ということです。SDGs は、その持続可能性の実現のために掲げられ、課題を統合的に解決しながら、持続可能なよりよい未来を築くことを目指しています。
GAP は農業者が守るべき法律や規範等をまとめたものであり、食品安全、労働安全、環境保全、人権保護、農場経営管理の5分野について、「持続可能性を確保する」ために取り組むものです。つまり、SDGs と目指しているところが同じなのです。GAP に取り組むことは、持続可能な世界をつくるSDGs にも貢献できる、と言うことが出来るのです。
出典:農業生産工程管理(GAP)に関する情報:農林水産省
大阪・関西万博への対応について
令和5年7月に公表された「持続可能性に配慮した調達コード(第2版)」のうち「持続可能性に配慮した農産物の調達基準」では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、「東京2020大会」)の調達基準と同様、主としてGAP認証農産物が調達基準の要件への適合度の高い農産物として位置付けられている。
大阪・関西万博の来場想定者数は約2,820万人、期間は2025年4月13日~10月13日の184日間と、東京2020大会よりも規模が大きく、期間が長いため、必要となる食材量も東京2020大会よりも多いと見込まれる。
大阪・関西万博での国産農産物の調達割合を少しでも高めるため、大阪・関西万博向けのGAP認証農産物等の産地の掘り起こしを積極的に進める必要がある。
大阪・関西万博における農産物の調達基準(概要)
対象
博覧会協会、ライセンシー注1及びパビリオン運営主体等注2が提供する飲食サービスに使用される、農産物の生鮮食品及び農産物を主要な原材料とする加工食品
注1:公式ライセンス商品を製造・販売等する事業者
注2:各国政府、国際機関、企業、地方自治体等
要件
以下の点について、生産国の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること
- 食品安全の確保
- 周辺環境や生態系と調和のとれた農業生産活動の確保
- 作業者の労働安全の確保
- 作業者の人権保護の確保
要件への適合度が高い農産物
- GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAP、又は博覧会協会が認める認証スキームによる認証を受けて生産された農産物
- 1の農産物以外を必要とする場合は、国際水準GAPガイドラインに準拠したGAPに基づき生産され、公的機関による第三者の確認を受けて生産された農産物
- 1、2の農産物以外を必要とする場合は、環境負荷の低減に取り組むことについて公的機関等による第三者の確認を受けて生産された農産物(有機農業により生産された農産物も認める。)
出典:農業生産工程管理(GAP)に関する情報 「GAP(農業生産工程管理) をめぐる情勢」令和6年10月:農林水産省