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  • 周辺住民等に対する騒音、振動、悪臭、煙・埃・有害物質の飛散・流出等の配慮と対策の実施。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    全般

    品目

    共通

    分野

    環境保全

    番号

    44

    取組事項

    周辺住民等に対する騒音、振動、悪臭、煙・埃・有害物質の飛散・流出等の配慮と対策の実施。

    解説

    農場を継続的に運営していくためには、周辺の方々の理解が必要です。
    まずは自らの農場の周辺環境、住民の方々を把握し、周りの人や施設に迷惑をかけていないか、過去にトラブルとなったことがないか、自治体や自治会組織に相談が持ち込まれていないか、把握します。
    例えば、機械操作の騒音トラブルがあるなら、深夜早朝の作業はしない、堆肥の悪臭が迷惑になっているなら、堆肥場を移動する、完熟化を促進する、切り返し作業時に回覧等で周知するなどして、トラブルを解消するための対策を講じます。
    トラクターで公道を走る場合、機械やタイヤに付着した泥を公道に落とさないように清掃する、落とした場合は取り除く、「低速車マーク」を表示する、アタッチメントには灯火器類を追加するなど、道路運送車両の保安基準を遵守することも大切です。
    また、公道に車両を長時間駐車することも避けましょう。
    番号 10 と合わせて、環境へのリスクに周辺住民への迷惑行為も含めて抽出、検討することでトラブルを未然に防ぐことも大切です。
    住民と良好な関係を維持できれば、生産活動への協力も得られます。
    迷惑をかけていないか、情報を把握するためにも、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

    具体例と想定される対策

    番号

    44-1

    【具体例】

    堆肥の製造による周辺住民への悪臭被害が発生。

    【想定される対策】

    堆肥の発酵を促進させるよう切り返しやエアレーションを実施する。
    堆肥の製造場所、原材料を変更する。
    風向きに注意して切り返し作業を行う。
    切り返し作業時に回覧等で周知する。

    番号

    44-2

    【具体例】

    廃棄物が飛散して近隣住民とトラブル発生。

    【想定される対策】

    廃棄物が飛散しないようにネットやカバー等を展張する。

    番号

    44-3

    【具体例】

    公道にキャリアカーを駐車したまま長時間放置し交通障害が発生。

    【想定される対策】

    ほ場近くに駐車スペースを確保する。
    駐車可能な場所にカラーコーン、車止め等を設置して安全に駐車する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    3.9 有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。(即ちすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。

    12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 農場から出る廃棄物を把握し、適切に分別・管理して処分するとともに、作物残渣等の有機物のリサイクルに取り組むなど廃棄物の削減を実施。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    全般

    品目

    共通

    分野

    食品安全

    環境保全

    番号

    42

    取組事項

    農場から出る廃棄物を把握し、適切に分別・管理して処分するとともに、作物残渣等の有機物のリサイクルに取り組むなど廃棄物の削減を実施。

    解説

    1.廃棄物の適正な処理
    農業生産活動に伴い発生する廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和 45 年法律第 137 号)に基づき、産業廃棄物や事業系一般廃棄物として、法に従い適正な処理を行うことが農業者に義務づけられています。
    特に、法令で規定されている産業廃棄物(使用済みプラスチック類や農薬、金属類、廃油等)は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度により、農業者は適正処理の最後まで確認する必要があります。マニフェスト制度とは、農業者が産業廃棄物の処理を行う際に、マニフェスト(管理票)に産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、収集・運搬業者から処分業者へマニフェストを渡し、農業者は、各業者から運搬・処理終了を記載したマニフェストを受け取ることで、委託内容どおりに産業廃棄物処理が行われたことを確認する仕組みです。

    2.廃棄物の一時保管の徹底
    廃棄物は、処分するまで適切に一時保管し、処理しないと、農産物の汚染原因になります。
    また、有害生物の侵入や発生が起こった場合、食品安全上のリスクにもなります。
    特に農薬の空容器の取り扱いでは、農薬成分が付着することを防ぐため、農産物等と接触しない場所に一時保管する等の対策を講じましょう。
    他の廃棄物も、一時保管する場所を決め、他の資材との接触を防ぎ、散乱しないように管理しましょう。
    廃棄物の把握、減量及びリサイクル、処分まで分別して一時保管を徹底し、農場の衛生状態を良好に保ちましょう。

    3.廃棄物の削減の取組
    農業は、事業活動であり、排出される廃棄物の削減に努める必要があります。
    まず、農場から出る廃棄物を把握し、廃棄物自体を削減する方法を検討します。続いて、それでも発生する残渣等については、リサイクルを検討します。
    作物残渣(未利用有機物)はそのまま捨てれば廃棄物ですが、有機物資源として有効活用もできます。
    作物残渣を有効に活用するため、土づくりのためにすき込む、堆肥の原料とする
    などに取り組みましょう。
    作物残渣等の有機物のリサイクルの実施に関し、「環境と調和のとれた農業生産活動規範点検活動の手引き」に取組例を示しています。
    <取組例>
    ・作物残渣等の有機物は、ほ場に残すと病害虫がまん延する場合などを除き、ほ場に還元して土づくりに利用
    ・堆肥の原料、家畜の飼料、畜舎の敷料等の用途への仕向け 等
    その他、ダンボール等の古紙の再生利用、金属廃棄物の回収業の活用等、可能な限り、廃棄物を減らす工夫とリサイクルの努力によって、農場から排出される廃棄物を減量しましょう。

    4.使用済みプラスチック類の排出削減やリサイクル率向上の取組海洋プラスチック問題、国際的な有害廃棄物の移動制約等、環境汚染を契機としたプラスチックの資源循環が求められています。農業分野においてもプラスチック資材の効率的利用とともに、使用量又は排出量の削減に取り組むため、以下の取組を検討しましょう。
    また、使用済みプラスチックの再生利用と熱回収を併せたリサイクル率を高めるために、産業廃棄物として排出する際は農業者においても乾燥・分別と異物除去に努めましょう。
    ・中長期展張フィルム等の導入により長期利用を実施
    ・生分解性マルチ等の生分解性資材や、非プラスチック系資材の導入
    ・慣行的にプラスチック被覆肥料を使用している場合、プラスチックを使用していない肥料への代替などの削減対策の実施
    特に、慣行的にプラスチック被覆肥料を使用している場合は、被覆殻がほ場排水などにより意図せず河川等の環境に排出される可能性があることから、例えば、以下のような取組を実施しプラスチック被覆殻の流出防止に努めましょう。
    ・浅水代かきや、代かき・田植え前の水位調節を自然落水で実施
    ・排水口に網を設置する等の被覆殻の流出防止・削減対策の実施

    具体例と想定される対策

    番号

    42-1

    【具体例】

    廃棄物の増加により環境汚染が発生。

    【想定される対策】

    リサイクルに取り組む。
    長持ちする資材を選択する。
    資材を可能な限り再利用する。

    番号

    42-2

    【具体例】

    作物残渣の不法投棄により水質汚染が発生。

    【想定される対策】

    作物残渣と資材の残渣の分別を徹底する。
    自治体に相談し、適切に処分す。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    9.4 資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。(即ち強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る。

    12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    12.5 廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    14.1 海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。(即ち持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 温室効果ガスの削減に資する取組等の対策の実施。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    調製

    品目

    共通

    分野

    環境保全

    番号

    41

    取組事項

    温室効果ガスの削減に資する取組等の対策の実施。

    解説

    1.現状把握
    農業生産活動といえども、化石燃料や電力を消費すれば温室効果ガスである二酸化炭素が発生します。
    農場でのエネルギーの使用量を把握し、常に節減を心がけることが重要です。
    以下の手順に従って、自らの農場で可能な省エネルギーの取組を検討しましょう。
    また、把握・検討した内容は従業員への教育などにより農場内に周知し、節減の必要性の理解に努めましょう。
    ① 農場内で使用しているエネルギーの種類(電気、燃料等)を把握します。
    ② 把握したエネルギーの使用量を伝票やメーターから把握し、記録します。
    ③ 把握したエネルギーの使用量を前年や前月と比較し、想定より使用量が多かったものについては、使用量の削減方法を検討しましょう。

    2.温室効果ガスの排出削減に資する取組
    農作業を行う中で、省エネルギー化が可能な部分はないか調べ、二酸化炭素の発生を抑制する取組を実施します。
    省エネルギーに留意した農業機械・装置、車両、施設の適切な使用には、以下のような取組があります。
    これらに取り組み、農場が二酸化炭素の排出量削減に貢献していることを客観的に説明できるようにしましょう。
    ・ 燃料消費量の節減に資する農業機械・車両の適切な使用(アイドリングストップ、適切な走行速度やエンジン回転数での作業実施、適切な土壌水分時の作業実施等)
    ・ 作業工程の見直しによる作業効率の改善(運搬ルート見直し等)
    ・ 機械・器具の適切な点検整備による燃費向上
    ・ 不要な照明のこまめな消灯
    ・ 冷蔵庫や暖房の温度設定の最適化、ハウスの被覆の修繕
    ・ 農業機械、車両、施設・設備を更新する際は、省エネルギー性能の高いものを選択(照明器具の LED 電灯への変更、ハイブリッド車両の導入等)
    ・ 再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電等)への切替え

    3.農場由来の温室効果ガスの削減
    ほ場そのものからも温室効果ガスが排出されます。例えば、畑等からは温室効果ガスの1つである一酸化二窒素が、水田からはメタンが排出されます。
    以下の取組により温室効果ガスの排出削減を検討しましょう。
    <畑等>
    根圏部分に施肥する局所施肥や肥料成分の利用効率の高い分施、肥料成分の利用効率の高い緩効性性肥料の施用といった手法で一酸化二窒素の排出を削減することができます。

    4.ほ場への炭素貯留
    土壌管理の方法によっては、ほ場へ炭素を貯留することで温暖化対策につなげることができます。
    例えば、以下のような取組があります。
    ・ 土壌への堆肥や緑肥等の有機物の継続的な施用
    ・ 難分解性であるバイオ炭の施用
    ・ ほ場に残すと病害虫がまん延する可能性のある場合を除く作物残さのすき込み
    ・ 不耕起又は省耕起栽培の実施

    具体例と想定される対策

    番号

    41-1

    【具体例】

    ビニールハウスの被覆の破れによる暖房効果の低下が発生。

    【想定される対策】

    ビニールハウスを巡回し、こまめに破損箇所を補修する。

    番号

    41-2

    【具体例】

    トラクターでの公道走行により、燃料使用量が増大。

    【想定される対策】

    トラクターの停止中はエンジンを切る(アイドリングストップ)。
    小型トラクターはキャリアカー等を活用してほ場まで運搬する。
    定期的にメンテナンスし、燃費効率を維持する。

    番号

    41-3

    【具体例】

    トラックの不適切な積載により、燃料使用量が増大。

    【想定される対策】

    過積載をしない。
    エンジンをかけたまま積込み作業をしない。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    7.2 世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。(即ち持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する。

    7.3 世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。(即ち持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する。

    9.4 資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。(即ち強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る。

    12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期計画に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。(即ち気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 食品安全(農産物への接触防止等)、環境保全(環境への流出防止等)、労働安全(火災防止等)に配慮した燃料類の保管の実施。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    調製

    品目

    共通

    分野

    食品安全

    環境保全

    労働安全

    番号

    40

    取組事項

    食品安全(農産物への接触防止等)、環境保全(環境への流出防止等)、労働安全(火災防止等)に配慮した燃料類の保管の実施。

    解説

    燃料を不適切に保管、管理すると、燃料が漏出することで、農産物の汚染による食品安全上の事故、火災による労働災害、土壌や水質汚染による環境破壊を引き起こす原因となる可能性があります。
    つまり、農場の燃料は食品安全、労働安全、環境保全のいずれの観点からも、大きな危害要因です。
    引火、発火、爆発等を起こさないように、適切な容器を使用し、保管庫等の条件を整え、注意喚起表示や消防設備等を準備します。
    所轄の消防署にも、適切な保管数量か、保管方法に問題がないか、指導を受けましょう(保管量によって自治体、消防署に届出が必要な場合があります。
    所轄の消防署に適切な保管方法、有資格者の配置等について相談します)。
    また、農産物に燃料が付着しないよう、流出した燃料が水源や土壌を汚染しないよう、燃料漏れ防止対策も講じます。
    漏れた場合の備えとして、防油堤を設置する、吸着シートや十分な量の砂を用意するなどが必要です。
    保管や使用する場所での火気厳禁、内容物にあった保管容器の使用(例えば、ガソリンは金属容器に入れ、ポリタンクは厳禁)も徹底し、消防法や自治体の条例による規制を遵守して管理しましょう。
    同様に、石油類に該当する危険物(剥離剤、インク、洗浄剤、有機溶剤等)も、定められた保管方法を遵守し、消防設備の準備、漏れ防止対策を講じ、漏れた時の処理装備を準備して適切に管理します。
    さらに、燃料や危険物について数量も管理することで、食品安全、労働安全、環境保全に加え、農場の経営の見直しにも活用できますので、番号 41 を参考に取り組みましょう。

    具体例と想定される対策

    番号

    40-1

    【具体例】

    燃料タンクからの燃料漏れによる火災が発生。

    【想定される対策】

    燃料保管施設の点検により、燃料漏れがないかどうかを確認し、不具合を修理する。
    防油堤、吸着シートなど、燃料が流出した場合の対策を準備する。
    消火器など適切な消防設備を用意する。

    番号

    40-2

    【具体例】

    燃料パイプの劣化による燃料漏れにより土壌汚染・水源汚染が発生。

    【想定される対策】

    燃料タンク、配管等を確認し、メンテナンスを行う。
    防油堤、オイルフェンス、吸着シートなど、燃料が流出した場合の対策を準備する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    6.3 汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の廃水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。

    6.6 山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。

    9.4 資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。(即ち強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • ほ場及び農産物取扱施設で発生した排水(排水中の栄養成分を含む)やそれに含まれる植物残渣、廃棄物等の適切な管理。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    全般

    品目

    共通

    分野

    環境保全

    番号

    32

    取組事項

    ほ場及び農産物取扱施設で発生した排水(排水中の栄養成分を含む)やそれに含まれる植物残渣、廃棄物等の適切な管理。

    解説

    農場からは様々な排水が出ます。この排水は環境汚染の原因になるだけでなく、自らの生産工程で使用する水の汚染にもつながります。
    まずは自らの農場からどのような排水が出ているかを把握します。
    機械類の洗浄水、農薬散布機器の洗浄水、農薬の残液、農産物の洗浄水、培養液の排液などが考えられます。
    排水を直接、河川などに流し込むと水源を汚染してしまいます。排水桝や沈殿槽を設け、泥、残渣等を取り除く、機械類の洗浄場所を水源に影響がない場所に確保するなどのやり方が考えられます。
    泥や農産物の残渣は、定期的に除去し、排水路が詰まったり、排水が溢れ出したりしないように管理します。
    培養液の排液が多かったり、排液中に栄養成分が残ったりしていると、水源の富栄養化の原因となり環境を汚染します。
    排液中の栄養分を極力少なくしてから排出しましょう。

    具体例と想定される対策

    番号

    32-1

    【具体例】

    トラクターの洗浄水により河川を濁水で汚染する事故が発生。

    【想定される対策】

    洗浄水の排水経路を確認し、水源に流れ込まないよう排水桝、沈殿槽を設置する。
    洗浄水が河川に流れ込まない場所に洗浄場所を変更する。

    番号

    32-2

    【具体例】

    培養液の排液により水質汚染が発生。

    【想定される対策】

    養分を極力植物に吸わせてから排水する。
    排液の pH、EC 等を測定し、肥料成分が残っていないことを確認して排水する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    6.3 汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の廃水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。

    6.6 山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。(即ち水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。

    12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    14.1 海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。(即ち持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。

    区分

    経営資源

    農業生産工程段階

    土づくり

    品目

    共通

    分野

    環境保全

    番号

    28

    取組事項

    堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。

    解説

    農地の土壌は農業生産の基礎であり、地力を増進していくことは農業の生産性を高め、農業経営の安定を図る上で極めて重要です。
    また、地力の増進は、地球温暖化の進行等が顕在化する中、気候変動の影響を受けにくい安定的な農業生産基盤の確保といった観点からも重要です。
    特に、土壌中の有機物は、土壌の物理的、化学的及び生物的性質を良好に保ち、可給態窒素等の養分を作物等に持続的に供給するために重要な役割を果たしています。
    一方で、土壌中の有機物は徐々に減少していくものであるため、営農の中において土づくりが重要となります。
    しかしながら、近年、農地土壌への堆肥等の有機物の施用量の減少等により、農地土壌が有する作物生産機能のみならず、炭素貯留機能、物質循環機能、水・大気の浄化機能及び生物多様性の保全機能の低下が懸念されています。
    こうした中、土づくり等を通じた化学肥料、化学農薬の使用量低減や、農業が有する環境保全機能の向上に配慮した持続的な農業を推進することが重要になっています。
    このため、農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和等に留意しつつ、以下のような土壌管理を適切に行うよう心掛けてください。
    ・堆肥や有機質肥料、緑肥等の有機物やバイオ炭を土づくりに有効活用するように努める。
    ・ほ場に残すと病害虫がまん延する場合などを除き作物残さ等のすき込みによる土づくりに努める。
    ・樹園地については、堆肥の施用が困難な場合、草生栽培や敷きわらによる有機物の供給に努める。
    ・適地においては不耕起栽培や省耕起栽培の実施により、土壌への炭素貯留や生物多様性保全に努める。 等
    また、適切な土壌管理には、現状を把握することが欠かせません。土壌診断や作
    物診断等を実施し、作物特性やデータに基づいた適正な施肥に努めましょう。

    具体例と想定される対策

    番号

    28-1

    【具体例】

    土壌有機物の消耗により地力が低下し、作柄が悪化。

    【想定される対策】

    堆肥等の有機物の施用により、土壌の物理性、化学性及び生物性の改善を図る。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    12.2 天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。(即ち持続可能な生産形態を確保する。

    12.4 合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への枠組みを最小化するため、化学物質や廃棄物大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    12.5 廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    15.3 砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土壌劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。(即ち土壌劣化を阻止する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

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