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  • 農場の管理を実証するために必要な記録の内容とその保管期間を特定し、記録を作成・保存。

    区分

    生産体制全体

    農業生産工程段階

    全般

    品目

    共通

    分野

    農場経営管理

    番号

    7

    取組事項

    農場の管理を実証するために必要な記録の内容とその保管期間を特定し、記録を作成・保存。

    解説

    農場での活動や作業、使用した資材等の記録は、自らの行動の確認、管理方法の見直し等に活用する他、取引先等、他者に提示するためにも活用できます。
    自らの行動や計画に活用する方法として、番号 4 の自己点検、内部監査で農場のルール通りに活動したか確認するための資料、番号 6 の計画と実績を比較する際のデータとして使うことが挙げられます。
    また、他者に提示する場面として、GAP 認証の審査や取引先等からの要求があります。
    GAP 認証の審査では、農場の取組について記録類を使って確認する場面があります。
    取引先によっては、定期的に記録の提出を求める場合があります。
    さらにクレームが発生した際には、原因調査のために記録を確認し、報告する必要も出てきます。
    こうした事態に対応するために記録を作成し、一定の期間、保管します。
    加工食品の原料として使用される場合でも、加工食品等の賞味期限(消費期限)に相応しい期間、保管しましょう。
    ただし、単に記録を保管すればいいわけではなく、必要な時に必要な情報を取り出せるよう、記録を整理しておきます。
    特にクレーム等が発生した際には、素早く対応することが重要ですので、記録をすぐに活用できる状態にしておきます。
    記録は紙媒体である必要はありません。
    後から確認できる、他者に情報を伝えることができる、保存ができるものであれば、記録として十分に機能します。
    パソコンやスマートフォンを活用した電子媒体や写真、映像等も活用しましょう。
    電子媒体による記録は即時性や検索性に優れているという特徴があります。
    GAP に対応した農場、ほ場の管理ソフトも市販されていますので、活用を検討します。
    <参考>
    1.農産物の出荷に関する記録については 1~3 年間(保存期間は取扱う食品等の流通実態・法令に応じて設定)
    2.農産物の出荷に関する記録以外の記録については取引先等からの情報提供の求めに対応するために必要な期間

    具体例と想定される対策

    番号

    7-1

    【具体例】

    記録を処分したため、自らの行動の正当性を立証不能。

    【想定される対策】

    記録ごとに説明責任を果たすために必要な保管期間を定める。
    紛失や損傷しないように保管する。

    • ファイルに綴じる。
      所定の場所に保管する。
      必要な時にすぐに取り出せるようにラベル等で識別する。
    • 電子媒体の場合には、年度ごとにフォルダーを作る等して上書きに注意する。
    • 記録の管理責任者、担当者を決める。

    番号

    7-2

    【具体例】

    発生した事故の原因調査ができず、同種の事故が再発。

    【想定される対策】

    記録ごとに説明責任を果たすために必要な保管期間を定める。
    紛失や損傷しないように保管する。
    各種記録の関連性を確認する。

    番号

    7-3

    【具体例】

    機械の整備不良に気付かず、作業に遅滞が発生。

    【想定される対策】

    記録すべき事項を決める。
    記録のリストを作成する。
    記録すべき事項に漏れがないか、確認する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    12.8 人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 農場経営の方針に基づいた生産計画を策定し、実施した農作業を記録するとともに、実績を計画に対して評価し、必要に応じて次の計画に反映。

    区分

    生産体制全体

    農業生産工程段階

    全般・計画

    品目

    共通

    分野

    農場経営管理

    番号

    6

    取組事項

    農場経営の方針に基づいた生産計画を策定し、実施した農作業を記録するとともに、実績を計画に対して評価し、必要に応じて次の計画に反映。

    解説

    農場を安定的に運営するためには、事前に適切な生産計画を立てることが重要です。
    生産計画の策定により、計画的な資源の手配(ほ場・作業者・機械設備・資材等)が可能になり、投資も計画できるようになりますし、収穫量の見込みが立てば取引先との継続的な取引、契約が可能となり、販売や営業のスケジュールの根拠としても活用できます。
    また、適切な生産計画を立てることは、農場としての生産目標、達成度の評価の基準としても役立ち、やりがいも生まれます。
    生産計画に沿って作成する実践した内容に関する農作業の記録は、問題発生時に後からこれまでの作業が適切だったのか確認する基礎資料となります。
    また、取引先などから作業内容について問われた際に自らの行動を証明する資料となります。
    さらに、計画と実績を比較することにより、改善点を見出し、次の生産計画の基礎資料として活用します。
    番号 4 と合わせて、定期的な見直しを行って生産性の向上、効率的な投資など、より良い農場運営を目指します。

    具体例と想定される対策

    番号

    6-1

    【具体例】

    無計画な作付けにより、管理作業に遅れが発生。

    【想定される対策】

    収穫までの作業を組み込んだ生産計画を立案する。
    計画に基づき、作業者や機械を手配する。

    番号

    6-2

    【具体例】

    無計画な作付けにより、収穫作業時に人手不足が発生。

    【想定される対策】

    収穫までの作業を組み込んだ生産計画を立案する。
    計画に基づき、作業者や機械を手配する。

    番号

    6-3

    【具体例】

    クレームが発生した際、作業の記録がなく、以下の行
    動の正当性を証明できない事案が発生。
    ・適正な農薬の使用
    ・安全な水の使用
    ・適正な廃棄物の処分
    ・安全な機械の使用
    ・有資格者による作業の実施

    【想定される対策】

    いつ、どこで、誰が、何を行ったか、作業者ごとに作業日誌を付ける。
    栽培記録として生産の履歴を残す。
    記録が付けられているか、定期的に確認する。
    記録の漏れ、不備等がある場合には、その理由を確認する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    12.8 人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。(即ち持続可能な生産消費形態を確保する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

  • 登録品種の種苗の適切な使用など知的財産の保護・活用。

    区分

    生産体制全体

    農業生産工程段階

    苗づくり・定植

    品目

    共通

    分野

    農場経営管理

    番号

    5

    取組事項

    登録品種の種苗の適切な使用など知的財産の保護・活用。

    解説

    農業には、多くの知的財産があります。新たに開発された技術、工夫した器具、商品の名称、農場のロゴマーク、ブランド、改良した品種等は、知的財産です。
    特定の産地では、地理的表示保護制度(いわゆる GI 制度)もあります。
    他者のこうした知的財産を侵害すると、法令違反等になり、他者にも自身にも大きな損害が発生します。
    特に、種苗法は、植物新品種を開発し、農林水産省に登録した「登録品種」を開発者に許可なく増殖したり、他者に譲渡したりすること等を制限しています。
    優良な品種は農産物を生産する基礎であり、優れた品種の育成はその発展を支える重要な柱です。
    しかし、新品種の育成には、長期にわたる労力と多額な費用が必要な一方で、第三者が容易に増殖(種採りや栄養繁殖等で個体数を増やすこと)できてしまう場合が多いため、育成者権者が望まない譲渡による流出が起こり、他者が勝手に増殖する事態となれば、開発者は新品種の利用による利益を十分に享受できず、新たな品種を開発しようという意欲がそがれてしまいます。
    そこで、新たな品種の育成を促進し新品種の開発者の権利を適切に保護するために「種苗法」に基づく品種登録制度が定められています。
    農業者が登録品種の収穫物の一部を次期作の種苗として利用する「自家増殖」が、種苗法で認められていますが、一部省令で定められている植物種類では育成者権者の許諾が必要です。
    また、農業者が増殖したとしても、得られた種や苗を他人に譲る場合は自家増殖とは認められないため育成者権者の許諾が必要です。
    また、種苗の増殖に取り組む農業者は、我が国の農業の発展に資する優良な登録品種が育成者権者の望まない形で譲渡されることがないよう、常に注意を払う必要があります。
    さらに他人の知的財産を侵害しないだけでなく、自らの知的財産を守ることも大切です。
    必ずしも特許や実用新案を申請したり、品種登録をしたり、商標登録をしたりしなければならないわけではありません。
    特許、実用新案、品種登録、商標登録は知的財産を権利化する手段です。
    権利化以外にも秘匿する、公開するといった手段があります。
    権利化すれば文字通り自らの権利として保護されますが、一般の知るところとなります。
    秘匿はどこにも出さず隠すことで知的財産を守ることです。
    しかし、同じような技術やブランドを他の人が作った場合、その人に権利化されてしまう可能性があります。
    公開は自らの権利を放棄し、広く一般にその知的財産を解放するものです。
    直接個人の利益にはなりませんが、知的財産管理の費用は掛からず、産地全体の振興などに貢献します。
    このように、自身と他者の知的財産を保護することで、農場の経営の安定化を図ります。

    具体例と想定される対策

    番号

    5-1

    【具体例】

    栽培に供した種苗が登録品種か否か把握しなかった結果、権利者の許諾を得ていない登録品種を利用
    することとなり、権利侵害が発生。

    【想定される対策】

    種苗を譲渡する、又は譲受する場合は、当該種苗が登録品種か確認する。
    登録品種の場合、その種苗の利用に権利者の許諾を得ているか確認する。
    登録品種を自家増殖する際には、省令指定されている種類かどうか、権利者が自家増殖を認めているかどうかそれぞれ確認する。

    番号

    5-2

    【具体例】

    自ら増殖した登録品種の苗を他の農業者から分けてほしいと頼まれ、権利者に許諾を得ずに譲渡して権利侵害が発生。

    【想定される対策】

    許諾を得ずに登録品種の種苗を譲渡することは育成者権侵害となり得るため、他の農業者に対して正規の流通ルートから種苗を購入するよう要請する。
    種苗を譲渡する、又は譲受せざるを得ない場合、他者への譲渡行為が育成者権者の許諾を得ている行為か確認の上、新たに許諾が必要な場合は育成者権者から確実に許諾を受ける。

    番号

    5-3

    【具体例】

    開発した技術に関して特許申請しないうちに、他者が権利化して使用差し止めが発生。

    【想定される対策】

    自ら開発した技術や工夫した器具、種は特許、実用新案申請、品種登録をする。
    先使用権を主張できるよう、開発時期や使用時期を記録する。

    番号

    5-4

    【具体例】

    ブランド名や商品名等の商標登録等をせず、他人に権利化されてしまい、輸出時に名称等が使用不可になる事態が発生。

    【想定される対策】

    自ら開発したブランド名や商品名、ロゴマーク等を保護する必要がないか、販売戦略と照らして検討する。
    必要があれば商標登録するなどして権利化する。

    SDGsへの貢献
    (17の目標、169のターゲット)

    2.4 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象減少、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。(即ち持続可能な農業を促進する。

    国際水準GAP
    食料・農業・農村基本計画(令和2年3月閣議決定)に掲げる「令和12年までにほぼ全ての産地で国際⽔準GAPを実施」の実現

    このページの内容は、農林水産省「国際水準GAPガイドライン」を引用しています。
    下記URLに掲載されています。
    国際水準GAPガイドライン:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/gap_guidelines/index.html

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