栽培管理【16】(64)

取組事項

肥料等の使用記録の作成・保存。

解説

肥料の使用状況は、作物の生育状況と比較することにより次作の施肥設計の参考とすることができます。
農産物の品質に問題(生育不良等から生じる、とろけ、腐り、硬化や着花・着果不足等)が生じた際には、使用記録を確認することにより原因追及の一助とすることができます。
これらの目的のために、以下の項目に関する肥料等の使用記録を作成し、保存します。
① 施肥した場所(ほ場名等)
② 施肥日
③ 肥料等の名称
④ 施肥量
⑤ 施肥方法(散布機械の特定を含む)
⑥ 作業者名
肥料等の使用記録には、農産物の生育に係る資材を全て記載します。
農薬に含まれない葉面散布剤、堆肥、土壌改良材、微生物資材等についても記載しましょう。
肥料等の使用記録は、事故が発生した際の原因調査や、取引先からの求めに応じて証拠を提示するなど、事故や要請に対応するためだけではなく、栽培工程の見直し、施肥方法の効率化や効果の検証などにも活用でき、農場の経営上、重要な記録です。
保存性の高い媒体で適切な期間保存し、農場経営の見直しに活用しましょう。

具体例と想定される対策

番号

64-1

【具体例】

肥料成分の不足による生育不良が発生。

【想定される対策】

肥料の使用状況と作物の生育状況を比較し、施肥設計に活用する。
土壌診断の結果を活用する。

番号

64-2

【具体例】

記録を作成しておらず、品質不良事故発生時の原因の特定が不可能。

【想定される対策】

肥料の使用状況を継続的に記録し、保管する。
記録の保管の責任者、担当者を決める。

番号

64-3

【具体例】

肥料使用記録を紛失し、取引先の要望への対応が不可能。

【想定される対策】

肥料の使用状況を継続的に記録し、保管する。
複数の媒体で保管し、紛失、消去のリスクを回避する。
記録の保管の責任者、担当者を決める。

区分

Ⅵ栽培管理

農業生産工程段階

土づくり

品目

共通

分野

農場経営管理

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