栽培管理【15】(63)

取組事項

土壌診断の結果を踏まえた肥料の適正な施用や、都道府県の施肥基準や JA の栽培暦等で示している施肥量、施肥方法等に則した施肥計画を立て、計画に基づく施肥の実施。

解説

農産物は、施用された肥料成分の全ては利用できないため、肥料成分の一部が環境中に溶脱、流亡又は揮散します。
このため、過剰な肥料成分量を投入すると、環境汚染(地下水汚染、塩類集積、一酸化二窒素発生等)のリスクが高まります。
一方、肥料成分の不足により生育不良が発生するリスクもあります。
このような環境汚染のリスクを下げるため、土壌診断等により土壌状態を把握し、その結果に基づいて施肥設計を行います。
【作物特性や土壌データの把握】
・ 作物の生育状況、前作の収量等の把握
・ ほ場の土壌診断(土壌の EC、pH 等の簡易測定を含む)の実施
・ 都道府県の施肥基準や JA の栽培暦等の施肥量、施肥方法等を参考に、地域での作物や品種に応じた必要養分量等の作物特性を把握
【施肥設計】
また、適切な土壌管理には、現状を把握することが欠かせません。土壌診断や作物診断等を実施し、作物特性やデータに基づいた適正な施肥に努めましょう。

具体例と想定される対策

番号

63-1

【具体例】

肥料成分の不足による生育不良が発生。

【想定される対策】

土壌診断により不足した成分を把握する。
診断の結果を活用し、都道府県の施肥基準を参考に適切な施肥設計を行う。

番号

63-2

【具体例】

肥料分の過剰による病害虫・雑草が発生。

【想定される対策】

土壌診断により過剰な成分を把握する。
診断の結果を活用し、都道府県の施肥基準を参考に適切な施肥設計を行う。
ほ場の様子を観察し、病害虫、雑草の発生状況から過剰成分を把握する。

番号

63-3

【具体例】

肥料分の過剰による水質汚染が発生。

【想定される対策】

土壌診断により過剰な成分を把握する。
診断の結果を活用し、都道府県の施肥基準を参考に施肥設計を行う。
都道府県の施肥基準を遵守する。

番号

63-4

【具体例】

肥料分の過剰による土壌の酸性化が進行。

【想定される対策】

土壌診断により土壌の酸性化の度合いを把握する。
診断の結果を活用し、土壌改良等を行う。
都道府県の施肥基準を遵守する。

区分

Ⅵ栽培管理

農業生産工程段階

土づくり

品目

共通

分野

環境保全

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