経営資源【4】(28)

取組事項

堆肥等の有機物等の活用等による土づくり等を通じた適正な土壌管理の実施。

解説

農地の土壌は農業生産の基礎であり、地力を増進していくことは農業の生産性を高め、農業経営の安定を図る上で極めて重要です。
また、地力の増進は、地球温暖化の進行等が顕在化する中、気候変動の影響を受けにくい安定的な農業生産基盤の確保といった観点からも重要です。
特に、土壌中の有機物は、土壌の物理的、化学的及び生物的性質を良好に保ち、可給態窒素等の養分を作物等に持続的に供給するために重要な役割を果たしています。
一方で、土壌中の有機物は徐々に減少していくものであるため、営農の中において土づくりが重要となります。
しかしながら、近年、農地土壌への堆肥等の有機物の施用量の減少等により、農地土壌が有する作物生産機能のみならず、炭素貯留機能、物質循環機能、水・大気の浄化機能及び生物多様性の保全機能の低下が懸念されています。
こうした中、土づくり等を通じた化学肥料、化学農薬の使用量低減や、農業が有する環境保全機能の向上に配慮した持続的な農業を推進することが重要になっています。
このため、農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和等に留意しつつ、以下のような土壌管理を適切に行うよう心掛けてください。
・堆肥や有機質肥料、緑肥等の有機物やバイオ炭を土づくりに有効活用するように努める。
・ほ場に残すと病害虫がまん延する場合などを除き作物残さ等のすき込みによる土づくりに努める。
・樹園地については、堆肥の施用が困難な場合、草生栽培や敷きわらによる有機物の供給に努める。
・適地においては不耕起栽培や省耕起栽培の実施により、土壌への炭素貯留や生物多様性保全に努める。 等
また、適切な土壌管理には、現状を把握することが欠かせません。土壌診断や作
物診断等を実施し、作物特性やデータに基づいた適正な施肥に努めましょう。

具体例と想定される対策

番号

28-1

【具体例】

土壌有機物の消耗により地力が低下し、作柄が悪化。

【想定される対策】

堆肥等の有機物の施用により、土壌の物理性、化学性及び生物性の改善を図る。

区分

Ⅴ経営資源

農業生産工程段階

土づくり

品目

共通

分野

環境保全

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