リスク管理【5】(12)

取組事項

工程管理の信頼性を確保するための農場のルールに基づく管理を遵守することについての外部委託先との合意。

解説

農場で農産物を生産し、取引先に納品するまでの間、外部の事業者等に工程の一部を委託することがあります。
その場合、農場の経営者又は責任者は、工程を委託する事業者が農場のルールを遵守できる能力を有しているか評価し、実際に遵守していることを点検・確認することを、委託先に合意してもらうことが重要です。
また、農作業等を支援するサービスの提供事業者が表示すべき情報等の指針を定めているので、こういった情報も活用しながら委託する事業者を選択しましょう。
例えば、農場では GAP をしっかり行っていたとしても、外部委託した工程の衛生管理が不十分では、食品安全を確保することはできません。
そこで、外部委託先に対しても、食品安全、労働安全、環境保全等の各分野について、GAP に基づいて農場が策定したルールに基づく管理を行ってもらうことが必要です。
どの工程を委託するのか、食品安全、労働安全、環境保全等を確保するためにどのような対応(ルール)を行うのか、ルールに違反した場合の措置、定期的な点検の受入れなどを取り決めた契約を農場と外部委託先で交わします。
農場の責任者は、契約に基づき、定期的に外部委託先に赴き、ルール通り作業を行っているか確認・点検します。
適切な作業を行っていない場合は改善を要求します。
なお、GAP 認証の審査では、審査機関が外部委託先を審査する場合もあります。

審査の際には、外部委託先にそのことを伝達しておきましょう。

具体例と想定される対策

番号

12-1

【具体例】

外部委託先の管理不足による異物混入事故が発生。

【想定される対策】

委託する工程を明示し、衛生管理(食品安全の確保)の手順を守る合意を得る。
定期的に遵守状況を確認する。

番号

12-2

【具体例】

外部委託先が決められた手順を守らなかったことによる、農産物の汚染事故が発生。

【想定される対策】

外部委託先に赴き、決められた手順で作業をしているか確認する。
外部委託先が作成している記録を確認する。

区分

Ⅲリスク管理

農業生産工程段階

全般

品目

共通

分野

農場経営管理

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